清末 正晴 高橋 千明清末 正晴 高橋 千明
清末 正晴清末 正晴高橋 千明高橋 千明
プロジェクトの概要と現在の仕事内容
大切なペットに、
おいしい国産の
療法食を。
日清ペットフードの
挑戦。

病気を患うペットたちに、獣医師は治療の補助を目的として「療法食」という専用のペットフードを処方することがある。動物病院では輸入品の療法食が用いられることが多く、この分野における海外メーカーのシェアは90%超と圧倒的だ。今後、200億円近くまで市場規模が伸びるといわれるこの大きなマーケットに、日清ペットフードは新規参入を決めた。プロジェクトの初期メンバーはわずか3名。大切な家族であるペットに、おいしく食べられる安全な療法食を届けるために。食品メーカーである日清製粉グループの強みを活かして商品の研究開発を目指す清末と、初めての営業を任された高橋にとって、未知の分野への挑戦が始まった。

プロジェクトの背景と当時の役割

「療法食」の研究開発を始めた背景を教えてください。
清末
このプロジェクトは、量販店などで扱われる一般家庭向けのペットフードとは全く異なるマーケットに参入し、プレミアムフード事業(プレミアムフード:高付加価値商品)の新たな可能性を広げることを目的として始まりました。「療法食」は病気の犬や猫に対応した特別なペットフードで、動物病院にて扱われるものです。日清ペットフードがこのプロジェクトのために「療法食を研究開発する人材」を募集していることを知り、私は当時勤めていた動物医薬品メーカーから転職してきました。海外メーカー2社で90%超ものシェアを占めている分野でしたから、「ちょっと無謀な挑戦では…」とも正直思いましたが、やはり自ら新たな商品をつくりあげられることに胸が躍りました。
高橋
そうですよね。ちなみに、私が初めてプロジェクトの計画を知った時は「療法食って何?」という感じでした(笑)。ペットフードといえば、量販店やインターネットで購入できる一般家庭向けのもののイメージ。入社以来、一般的なペットフードの通信販売やWebサイトの運営、販売部門の支援などをしてきましたが、世の中に動物病院向けのペットフードがあるなんて知りませんでした。その私が、営業担当に指名されるなんて!当時は上司のサポートがあったとはいえ、初めての仕事に不安でいっぱいでした。
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商品の研究開発や営業で力を入れたこと

プロジェクトではどのような苦労がありましたか?
清末
一般のペットフードの開発における重要項目は「栄養成分」「おいしさ」など10点程度ですが、療法食に関してはそれ以上に多くのプロセスが要求されます。例えば、食物アレルギーの療法食では、アレルゲンの混入を徹底的に排除するために生産設備を新たに整える必要がありました。専門性が非常に高い分野のため大学教授と共同研究を行ったり、動物病院の獣医師と協力して病気のペットを対象とした臨床試験を行ったり、工場や分析機関との連携を行ったりなど、社内外との信頼関係づくりも大切でした。また、自分が自信を持って開発した商品ですから、開発コンセプトや学術データは、時間をかけて丁寧にプロジェクトメンバーと共有しました。
高橋
「食物アレルギー用の“ごはん”は、他の病気を持っているワンちゃんに対しても使えますか?」などと清末さんには何度もしつこく質問して、根気強く教えてもらいました。私が営業として商品をアピールする相手は獣医師ですから、高度で詳細な情報をお伝えすることが求められます。いかに正確に伝えられるか、専門知識を理解するのに必死でした。「動物医薬品を扱う卸業者の方たちは、獣医師に日々接している」ということも教えてもらいましたよね。それをヒントに卸業者の方たちと密な関係を築くことで、より多くの獣医師に効果的な商品紹介ができるようになりました。
獣医師は日清ペットフードの「療法食」に興味を示しましたか?
高橋
これまでに、犬向けには「食物アレルギー」、「体重管理」、「尿石症」、猫向けには「腎臓病」、「尿石症」の合計5つの療法食を発売しました。猫向けの商品はおいしさを追及し、犬向けの商品はおいしさに加え、これまでにない全く新しいコンセプトで開発したものです。詳しいことはここではお話しできないのですが(笑)、他社商品とは明らかに違う特徴がありますので、獣医師の強い関心を引くことができ、印象もかなり良いです。プロの視点からどんな反応があるか、発売前は清末さんはとても気にしていらっしゃいましたけど。
清末
獣医師に評価してもらえるだろうかという不安はありましたが、営業の話を聞いて、正直ちょっとホッとしました。
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改めて感じる、日清ペットフードの魅力

研究開発と営業の二人三脚で進めている事業なのですね。
清末
まだまだ小さな事業ですから、お互いに協力してやっていかないといけません。自分たちで多くのことを手がける大変さはありますが、何でもやらせてもらえているので非常にやりがいがあります。また、日清ペットフードには、このプロジェクトのように新たな分野にチャレンジする気概があるのも気に入っています。
高橋
私としては、こうして若いうちから仕事を任せてもらえるのはうれしいですね。初めは不安でしたが、先輩や上司がいつも身近にいるから相談もしやすかったです。社長もよく声をかけてくださいますし。営業の立場から研究開発に要望を伝えるときも、遠慮をすることはありません。つい、あれこれと言い過ぎてしまうことがあり、ときどき反省することもありますが…。
清末
反省せず、どんどん言ってください(笑)
日清ペットフードならではの強みを感じることはありますか。
清末
「おいしさ」に対するノウハウは他社に負けないと思います。今回開発した犬猫向けの療法食のおいしさも、非常に高いレベルで実現できたと自負しています。人間の場合を例にとっても、病院食はおいしくないというイメージがありますよね。だからといって「体に良いものはまずくて当然」という意識で開発していては、病気のペットたちも食べ続けられないと思うのです。「おいしさ」にこだわることは、従来の療法食にない新たな魅力になります。
高橋
商品を販売するうえでは、日本の食品メーカーである、日清製粉グループの一員ということも強みです。「国産」、引いては「日清製粉グループ」ということが「安全・安心」「高品質」「おいしそう」というイメージにつながり、受け入れられやすいのです。また、輸入品はあくまでも海外の犬や猫に対して試験を行って開発されたもの。海外と日本ではペット事情も大きく違うはずです。日清ペットフードは自社の研究所を持っていますので、私たちなら日本でのニーズに特化した商品を開発して販売できる自信があります。
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プロジェクトの未来、今後の目標は?

「療法食」の新規参入メーカーとしては、どんな課題がありますか。
清末
獣医師に商品の魅力を理解してもらえたとしても、すぐには当社商品に切り替えてもらえるとは限らないという難しさがあります。「新商品」であるがゆえに、既存の療法食とは異なる優位性を実感してもらえるように、学術データなどを多く示したりと実績を積み重ねることが重要です。また、学会で発表したり、出版物や専門誌に記事を掲載したり、著名な先生を招いて学術セミナーを開催したりといった、当社の療法食に対する信頼を築く仕組みづくりにも取り組んでいます。安心感の必要な専門性の高い分野だからこそ、しっかりとしたエビデンス(科学的根拠)を出して市場でのプレゼンス(存在感)を増していきたい。単にシェアや売上金額を伸ばすだけが目的ではなく、日清ペットフードの療法食ブランド“JPスタイル ダイエテティクス”を確立させることによって、企業価値を向上させることを目指しています。
お二人の今後の目標を教えてください。
高橋
療法食は、犬や猫が食べてくれないことには始まりません。「好き嫌いの多いうちの子が喜んで食べてくれた」「国産で安心」などと当社商品が口コミで評判になっているのを見聞きした時には誇らしかったですし、ますます自信がつきました。これまでは自分のことで手いっぱいでしたが、新たにプロジェクトに加わった複数の営業メンバーの教育も、私の役割だと思っています。飼主様や獣医師の声を反映したラインナップを増やして、おすすめできる商品として全国に広めていきたいですね。
清末
現在も、ある病気に対応する療法食を研究開発中です。人間と同じように、ペットも高齢化が進んで新たな病気の問題が出てくるようになりました。動物病院に駆け込む飼主様の、獣医師に対する期待はとても大きいものです。「ずっと元気で長生きさせてあげたい」「こんなふうにかわいがってあげたい」という飼主様の気持ちや獣医師の高度な要求に応えていきたいと思っています。そのために必要な研究開発力を身につけて、今後も新たな商品を世の中に送り出していきたいです。
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