西口 修平西口 修平
西口 修平西口 修平
プロジェクトの概要と現在の仕事内容
名古屋発
「まぜそば」で、
新しい小麦粉の
おいしさを伝えたい。

自社製品の魅力をいかにアピールし、取引先を広げていくかは、営業担当者が日々考え続けている課題だろう。名古屋エリアを中心に愛知県内の顧客を担当している西口。彼も担当企業との商談の日々の中で、新製品である中華麺用小麦粉「荒武者」の需要を新たに開拓するアイデアを模索していた。目をつけたのは、当時名古屋ではまだ認知度の低かった新タイプの麺料理「まぜそば」だ。「荒武者を使って作り上げた特製麺をラーメン店がまぜそばにアレンジし、期間限定で一斉に売り出すのはどうだろう」。製麺所と13店舗のラーメン店を巻き込んで始まったプロジェクトについて、仕掛け人に話を聞いた。

プロジェクトの背景と関わった人たち

「荒武者」とはどんな小麦粉なのでしょうか?
その昔はラーメンといえば「スープが命」でしたが、つけ麺ブームによって「麺のおいしさにも注目が集まるようになっていました。そこで、スープや具の濃い味付けにも負けない麺を実現するために当社が開発したのが、中華麺用小麦粉「荒武者」です。例えば、中華麺にすると力強い弾力と風味があり、しっかりとした固さの中に小麦粉のおいしさが感じられることが特長です。とことん味にこだわった小麦粉であると自負しています。
このプロジェクトが始まったきっかけを教えてください。
ちょうどその頃、名古屋では名物「台湾ラーメン」をアレンジした「台湾まぜそば」の人気に火が付き始めていました。汁なしの和えそばである「まぜそば」なら、小麦粉のおいしさを伝えられる。そう考えて、「荒武者」で作った特製中華麺を複数のラーメン店に提供し、各店で期間限定「まぜそば」メニューとして一斉に売り出すというプロジェクトを思いつきました。
どのような人たちが参加してプロジェクトを進めたのですか。
まず、当社の取引先である有名な製麺所にこのプロジェクトの話を持ちかけました。専務からその場で「いいね。やろう、やろう」と非常に前向きなお返事をいただき、一気に弾みがつきました。その後もお客様への提案を重ね、名古屋市内の13ものラーメン店がこのプロジェクトに参加していただけることに。当社からは営業担当の私と商品開発担当の豊田さん、そして製麺所の専務と、合わせて16名がプロジェクトのメンバーとして動き出しました。
プロジェクト2プロジェクト2

プロジェクトでの取り組みについて

麺はどのように開発したのでしょうか。
まずは私と豊田さんの2人で麺を試作しました。当社の加工センターにある小型の製麺機で5種類ほどの麺をつくっては、すぐ横のゆで釜でゆでて食べ比べる。「荒武者の味がしっかり出ている」と思える麺の方向性が決まったところで、製麺所からも「これならいけそうだ」というお言葉をいただきました。それからはラーメン店の皆さんのご要望やご意見を何度もお聞きしては、幾度にわたり試作と試食を繰り返し、ようやく一つの中華麺を完成させました。
麺づくりで最も苦労したことはどんなことでしょうか。
噛みごたえや味わいを保ちながら、理想的なゆで時間に近づけることですね。ゆで時間が長くなると、ラーメン店ではお客様の待ち時間が長くなり、回転が遅くなるという問題があります。しかし、麺を薄くしたり細くしたりすることでゆで時間は短縮できますが、今度は味わいに大きく影響してしまう。だったら、水の配合率を変えてゆで時間を調整できないか、と商品開発担当者と製法を工夫しました。自店の味を最大限に活かしたいと考えるラーメン店の皆さんからは、硬さ、太さ、ゆで時間など、多くの角度からの要望もありましたので、どのようにバランスを保つかは非常に判断の難しい所でしたが、皆さんと一丸になって、何度も試行錯誤を繰り返すことで、なんとか納得のいく麺に仕上げることができました。
麺が完成した後、プロジェクトはどのように展開したのですか。
13のラーメン店のこだわりや個性を活かして、完成した麺を使った各店オリジナルの「まぜそば」メニューを考案してもらう方が良いと考えました。どのように仕上げるかなどや、タレや具もすべてお任せです。一方で、話題性やイベント感を生み出すため、「まぜそば」は1か月後に各店で一斉に販売開始することを決めました。より多くのお客様に足を運んでもらえるよう、製麺所と一緒にポスターやオリジナルTシャツを制作し、ラーメン店で働くスタッフの皆さんにも協力いただき告知を進めていきました。
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プロジェクトを通じて得たもの

販売開始となった「まぜそば」の反響はいかがでしたか。
正直、販売初日には大きな反響は感じられず、焦りや不安も感じました。しかし、次第にお客様がまぜそばに興味を示して足を運んでくださるようになり、ツイッターなどで話題に取り上げていただけるお客様も現れました。プロジェクトとしては約2ヶ月間を販売期間の目安としていましたが、その後も「まぜそば」を定番メニューに加えたいと販売を継続してくださるお店もたくさんありました。特に、今回開発したこの麺を使ったまぜそばに名前をつけて、全店舗で大きく展開してくださるお店があったのは本当に嬉しかったですね。今でも、そのまぜそばの販売を継続していただいており、製麺所で使う「荒武者」の使用量も徐々に増加しています。多くのラーメン店から「売上が上がったと共に、新しいチャレンジができて本当にやってよかった」という声をいただきました。
プロジェクトを通じて得たものは何でしょうか?
来客数の増加を狙うラーメン店、「まぜそば」の認知により新たな製麺の需要を開拓する製麺所、そして、それを新しい製品である「荒武者」の普及に繋げたい当社。このプロジェクトでは、三者それぞれに手応えを感じることができました。取引先である製麺所からも、これまで以上の信頼を得ることができたと感じています。若いうちからどんどん顧客を任せてもらえる環境だからこそ、実現できたプロジェクトだったと思います。
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改めて感じる会社の魅力と、今後の目標

日清製粉で働く一番の魅力は何ですか。
なんと言っても、私のような若手でも取引先の経営者にお会いできる機会がとても多いことですね。当然、求められることのレベルも非常に高くなりますが、その分期待に応えるやりがいがあります。また、主原料としての小麦粉が持つ可能性や広がりに、他の食品にはない魅力を感じています。食生活は、誰にでも関係のある毎日のこと。私が提案した小麦粉を使った商品を、スーパーの商品棚やラーメン店で目にするたびに、大きな喜びを感じています。
今後はどのような展望を考えていらっしゃいますか。
私の担当顧客企業には製麺所が多いこともあり、引き続き愛知県特有の麺食文化に注目しています。台湾ラーメン、あんかけスパゲティ、みそ煮込みうどん、きしめん、それからカレーうどん。これらは五大麺ともいうべき愛知県の名物麺です。私も今回のプロジェクトを機会に当社の小麦粉を通して「まぜそば」を全国に向けて発信する活動ができたら、と考えています。
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