社員インタビュー 仕事の内容や入社動機など、先輩社員の声を紹介します。

食品化学系
#研究開発 #6~10年 #産休育休経験者

微生物の制御によって
製品の品質と安全を確保する。

岩川 愛

岩川 愛いわかわ あい
株式会社日清製粉グループ本社
R&D・品質保証本部 基礎研究所 微生物制御研究室
2016年入社 海洋科学技術研究科 食機能保全科学専攻

入社を決めた理由と現在の仕事内容は?

もともと食べることが好きだったため、食品化学専攻の大学に進学し、就職先も食品業界で探しました。日清製粉グループでは業務・家庭用、常温・冷蔵・冷凍などの多様な製品群を扱っており、幅広い業務を通じて成長し、多くの方の食生活に貢献できると感じたことから、入社を決めました。入社以来、微生物制御研究室で製品の安全性確保や消費期限延長を目的とした微生物制御技術に関する研究を行っています。微生物制御技術とは、殺菌技術・菌の増殖抑制技術・製造環境の衛生向上技術の3つを効果的に組み合わせた技術で、製品の安全性確保と消費期限延長には必要不可欠な技術です。法律を遵守して製品の安全性を確保するのは当然ですが、製品の美味しさも大切ですので、そのなかでも安全性と美味しさを両立させた製品を開発するために日々研究を重ねています。現在は、惣菜類の美味しさを維持しつつ、消費期限を延長するために、製造工程の見直しや製品仕様(配合)による微生物制御技術の確立に取り組んでいます。

岩川 愛

仕事のやりがいや大変なことは?

基礎研究所は、日清製粉グループの将来を見据え、新製品への活用や新規事業の開発につながる技術シーズを生み出すことを目指しており、その研究成果はひとつの製品にとどまらず、様々なグループ会社で活用されます。研究テーマによっては、長い研究期間が必要となることもありますが、研究と現場での検証(工場でのテスト等)を繰り返し、実際に研究したことが実用化された際には大きなやりがいを感じます。また、基礎研究所にはグループ各社の社員が出向しており、幅広い経験を持つ先輩方からアドバイスを受けえらえる点も魅力のひとつです。一方で大変さを感じるのは、研究成果を他部署や工場の現場に報告する際です。「微生物」と聞くと、ちょっと難しい印象を抱く方もいるため、「難解な印象を与えずに、いかにわかりやすく説明するか」が重要となります。そこで、イラストや図表、文字の色など、視覚的にわかりやすくなるよう工夫をしています。

岩川 愛

キャリアステップ

  • 1年目
    基礎研究所に配属。微生物試験の習得、大学との共同研究、新製品の仕様検討などに取り組む。3年目3月から産休育休を取得。
  • 5年目
    5年目の4月に復職し、新入社員のOJTや、惣菜類の消費期限延長に向けた検討を担当。6年目の5月から2回目の産休育休を取得。
  • 7年目
    復職後、時短勤務を開始。惣菜類の消費期限延長に向けた検討では、研究所に工場用の実機を導入して検討を加速させ、特許を出願。
  • 9年目
    幅広い惣菜に活用できる静菌技術について検討を開始。新入社員のOJTも担当し、チームで静菌技術の検討に取り組んでいる。

成長を感じた仕事は?

入社5年目に、惣菜の消費期限延長に向けて工場への新たな製造方法の導入を検討した際、初めて私が主導して工場でのラインテストを行った時のことです。研究所で得た多くのデータをもとに微生物制御設計を行いますが、工場で実際の製造環境や製造量でテストをしなければ、最終的に微生物の安全性は確認できません。そのため、工場で複数回のテストを実施し、微生物制御設計を検証しますが、その時も念入りに事前準備を行い、工場の関係者と何度も打ち合わせを重ねながら、初めて私が中心となってテストを進行しました。その結果、微生物制御設計の妥当性を工場で検証でき、研究所が提案した製造方法が評価され、導入に繋げることができました。工場への製造方法の導入の際には、ハンドリングのしやすさや製造能力など、様々なことを考慮しなければなりません。また、現場の協力が不可欠であるため、自分でできる準備はしっかり行い、現場との連携を第一に進めました。仕事上のコミュニケーションにおいても、非常に良い経験になりました。

今後の目標は?

これまで基礎研究所で微生物制御に関する研究に携わってきましたので、将来的にも微生物の知識を軸に、グループのさまざまな製品の安全・安心を担う研究者として成長し、貢献していきたいです。そのためには、大学などの研究機関や業界団体とも積極的にコミュニケーションをして、微生物制御技術の専門性を高めたり、製品設計や製造管理、表示など、さまざまな業務に挑戦していきたいと考えています。今後も経験を積み、多角的な視点を持った研究者になりたいです。

岩川 愛

1日の仕事の流れ

09:00
出社、メールチェック
10:00
実験
12:00
お昼休み
13:00
チームミーティング
14:00
実験データ確認
15:00
試験計画
16:30
退社時短勤務